ミャンマーでは、つい2年前まで
タクシーは交渉制が当たり前だったのが
今や、grabアプリが最適な存在に。
アプリのおかげで
交渉も不要で、料金も透明性が増し
かなり利用しやすくなった。
当該分野には、実に7社が争いを繰り広げ
戦国時代に突入した感がある。
新たに進出する 2社(get ride と fastgo)は
いかに市場を攻略するのだろうか。
2年前のミャンマータクシー
2年前と今、状況は大きく変わった。
2年前は、、、
ミャンマーでタクシーに乗る時は交渉制。
相場観を知らなければ、ドライバーの言い値。
つまりボッタクられる可能性大。
相場観をわかっていても交渉術が物を言う世界。
タクシーに乗ろうとする度に値段交渉が必要。
いざ乗っても
「エアコンをつけるから1,000ksプラスだ」
「少し横道に入ったからあと1,000ksプラスだ」
などと言われることもあり、ストレスが多かった。
約2年前までは、それが当たり前だった。
タクシー配車アプリ 第1世代
そこに風穴を空けたのが
「Hello Ride」(Hello Cabs)。
ミャンマーローカルの物流会社「Young Ni Oo社」が
配車アプリを開発。
利用者はアプリを通じて
タクシーの呼び出しができるようになった。
ミャンマーにおける
タクシー配車アプリ 第1号だ。(たぶん)
しかし、実態はアナログ運営だった。
出発地点と行き先を入力して、タクシーを呼ぶと、
その情報を元に、アプリ提供会社がドライバーに電話。
その場所を伝えてドライバーが向かう。
アプリを見慣れていないドライバーから
電話が掛かってきて、やりとりをする。
電話して場所を確認しながら
ようやく合流してタクシーに乗車。
そんな具合だった。
タクシーを呼んで3分はキャンセルできない。
そもそも予約が取れるまで
どんなに早くても1分はかかるのが、当たり前。
一度は、ドライバーが車で20分以上掛かったことも。
【タクシー配車アプリ4社比較】女性の深夜利用にはタクシー配車アプリがオススメ。しかし「Hello Cabは2度と使いません。」
今思えば、
「Hello Ride(Hello Cabs)」の
使い勝手は最悪だった。
(これ、不可逆ってやつですね。。)
その後、すぐに
ミャンマーローカルの旅行会社「OWAY社」が
「OWAY RIDE」をリリース。
2016年の後半には
Hello Cab vs OWAY
の構図が出来上がった。
その後、GO TAXI など
その他の配車アプリも発表されたが
台数が少なかったり
どれも使い勝手はいまいち。
タクシー配車アプリ 第2世代
そこに参入してきたのが
東南アジアで勢力を拡大する「Grab」。
2017年3月からミャンマーでのサービスを開始。
2017年5月には、ほぼタイミングを同じくして
「Uber」がミャンマー市場に参入。
さすが世界で使われているアプリだけあり
両者共に、使い勝手はいい。
外資2社が揃ったことで、競争が激化。
ユーザー向けプロモーションとしては乗車毎の割引。
ドライバー向けプロモーションとしては、
1週間に乗せた顧客数に応じたインセンティブ支給。
相当な金額が注ぎ込まれた。
ローンチ当初、「Uber」は
時間 と 走行距離に応じて料金が変動する
変動料金制を採用。
※アプリ内料金は ◯◯〜◯◯ との表示
渋滞にハマると料金が跳ね上がる事に。
一方で「Grab」は、当初から
行き先が同じなら料金は同じ固定料金制。
当時は、プロモーションを見ながら
どちらを利用するか、を決めていた。
2017年8月には、Grabが
「ミャンマー市場に1億米ドルを投下」
することを発表するなど、過当競争に。
この頃には、2社の桁違いの争いを受け
ローカルのタクシー配車アプリ
「Hello Cab」と「Oway Ride」は
かなり苦しい展開に追い込まれる。
地方でも配車アプリ
2017年10月に「OWAY RIDE」は
争いの舞台を
ミャンマー第2の都市マンダレーにシフト。
誰も仕掛けていないマンダレーにおいて
三輪タクシーサービスを開始。
2018年1月には「Grab」が後を追い
マンダレーでバイクタクシーの配車事業を開始。
※2018年8月(2018年6月からの試験運転)には
三輪タクシーの配車サービスをスタートした。
突然の Grab 一強体制へ
資本勝負になるのか? と思われていたところ
2018年3月、Uberが東南アジア事業から突然の撤退宣言。
その事業をGrabに売却することを発表。
これにより「Grab一強体制」が確立する。
値上げがはじまるだろう、と覚悟した矢先
2018年4月「キロタクシー」ブランドで
新たなグループが設立され、
メーター制タクシーサービスが開始。
(あまり伸びている感はない。)
また大和証券グループの大和PIパートナーズが
「OWAY RIDE」に対する
500万米ドル(約 5億 3,607万円)の投資を発表
したのもこの時期。
(個人的には、遅いのでは?との感覚を受けた)
体制が固まったかと思いきや、次の展開がやってくる。
タクシー配車アプリ 戦国時代へ
2018年6月、ミャンマーで
新たなタクシー配車サービス
「billion」「OK TAXI」がサービスを開始。
「OK TAXI」はモバイル・マネー「ok dollar」を
展開する会社と運営母体が同じっぽい。
(色合い とか 雰囲気から予測。)
ローカル企業が風穴を開けようと動く。
ローカルの旅行会社「flymya」グループも
2018年 1月からマンダレーにおいて
バイクタクシー配車事業「get ride(ゲットライド)」
の試験運転を開始していた。
5月からはマンダレーにおける三輪車配車、
6月からタクシー配車サービスを開始。
9月からはヤンゴンでもサービスの展開を開始した。
すごい勢いで 拡大を続けている。
Grabに比べれば、まだタクシーの台数は少ないが、
ドライバーに対するプロモーションが魅力的なようで、
ドライバーから利用をオススメされたこともある。
資本力を武器に
一強体制許すまじ、と言わんばかりに
Grabとガチで闘おうとしている感が強い。
また
2018年12月現在、新たな参入情報も。
ベトナムでタクシー配車アプリを提供する
ファストゴー社(Fastgo社)が、
2018年12月から
ミャンマーで事業を開始する予定とのこと。
これらすべてが出揃えば、
実に 7社による闘いが巻き起こることになる。
かなり先ゆく巨人「Grab」
地場の雄 Flymyaグループの「get ride」
ベトナムの「ファストゴー」
この3社がヤンゴンのタクシー配車業界の
市場シェアを奪い合い、闘いを繰り広げることになりそうだ。
そこに対して地域や規模を少し小さくして
「OWAY RIDE」「billion」「OK TAXI」
「キロタクシーグループ」が挑む形になるだろう。
※ billion は消えてるかも?
一度は勝負が決したかのように見えた
ミャンマーのタクシー配車市場
次なる戦いのステージがはじまろうとしている。
本格的な戦国時代へ突入の雰囲気だ。
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