会社で同期トップじゃなくて、不満だらけのあなたへ
1、ゼロイチをやりたいなら
顧客の声を聞くな。無理難題をこそ聞け。
2、天才ドライバーは本番前にスピンしまくる。
3、不満の多い2〜3番手こそゼロイチを狙え。
こんなメッセージがグサグサ刺さる
組織人向けの本「ゼロイチ」
トヨタとソフトバンクで鍛えた「0」から「1」を生み出す思考法 ゼロイチ
「奥の手」で「ゼロイチ」
なんとなくくすぶってて
現時点、同期トップ層にはいなくて
あれこれ愚痴ってる人こそ
ぜひ読んで欲しい1冊である。
2〜3番手で不満たっぷりの人こそ
ゼロイチ向きらしいですよ。
こちらの本をようやく読めました。
ようやく
「奥の手」で「ゼロイチ」に触れられました。
トヨタでF1プロジェクトに関わり
ソフトバンクでPepperの開発リーダー。
「企業内で」ゼロイチを経験された
林 要 さんの著書。
この手の本は、
コンサルタントが事例を並べたり
起業家が書いてたりするのが多い。
しかし、この本は
企業戦士として、サラリーマンとして
成果を残された林さんの本で
視点が新鮮で面白いです。
刺さった言葉を3つご紹介。
1、顧客の声を聞くな。無理難題を聞け。
ユーザーの声からゼロイチは生まれない。
トップの魂のこもった無理難題から生まれる。
グサッと来た言葉でした。
「お客様の声を大切に。」
よく言われるし、否定しようのない話です。
マネジメントの父といわれるドラッカーも
「顧客」についてはあらゆる場面で触れてます。
そもそも
「企業の目的は顧客の創造である」
と定義している。
加えて 5つの質問の中で
「われわれの顧客は誰か?」
「顧客にとっての価値は何か?」
と、語る。
顧客は重要な存在である。
しかし、林さんは、
「顧客の声にゼロイチはない」と断言する。
読んだ瞬間
あれ、こんなこと言っちゃって大丈夫?!
と、思ったが、その後を読んで納得。
顧客の声から改善は生みやすい。
しかし、
ゼロイチは、無理難題からしか生まれない。
顧客の声は、基本的には今あるサービスや
商品に対して改善を求める声でしかない。
よって、開発者は
「言葉の向こうにある想い」を解釈する必要がある。
と本の中で語っている。
そして、さらには
トップの魂のこもった無理難題から
ゼロイチは生まれる、とも語る。
ここは企業人としての視点っぽく(笑)
この本らしさを感じた部分。
ここは「トップ」でなくてもいい。
担当者とも置き換えられるだろう。
顧客でもいいかもしれない。
しかし
「魂のこもった無理難題」
があってはじめて
「ゼロイチ」が生まれるのだという。
魂のこもった強い想いがあって
その課題を解決するために
人が必死に考えを巡らせて
サービスを誕生させていくのだ。
よって強い想いがなければ
ゼロイチは生まれないし、
ただの顧客の声からは生まれない。
その顧客の声の裏にあるモノを
読み取る必要があるのだ。
なるほど。
非常に深い気付きを得られた。
新サービスを考えている人は少なくない。
その際「顧客の声を聞く」のは
ほぼ常識となっていて、みんなやっている。
ただ単に
顧客が重いと言ったから
軽くしました。
改善ならそれでいい。
しかしゼロイチはそんなモノではない。
顧客の声の裏にあるモノを読み解く。
この視点を忘れないようにしよう。
2、天才ドライバーは本番前にスピンしまくる。
天才肌のドライバーは本番前のテスト走行で
コースアウトやスピンをする。
成功と失敗のギリギリ紙一重の感覚を掴む
エピソードとして紹介されていたお話。
F1レーサーで天才肌のドライバーは
エンジニアが心配になるほど、
本番直前にスピンし、コースアウトするのだとか。
理由は簡単。
・ここまでスピードを出すと滑ってしまう。
・このタイミングでハンドルを切ると回る。
といったギリギリの部分を
本番直前に攻めて、確認してるらしい。
失敗してる人は強い。
とか言うが、これも同じ理論かも。
ここまでやったら失敗する。
そんな感覚を身を持って
体験しているのだろう。
(意図的な失敗ではないだろうけれど。。)
「失敗しないこと」が評価される
サラリーマン的には難しい感覚であり
私も苦手とするところだ。
しかし、
やってみないとわからない。
これは偽らざる事実である。
退職だって、転職だって
やってみたらなんてことない。
だからこそ、
やってみる。失敗してみる。
ここが大切なのだろう。
トライ&エラー
なんて言葉がある。
エラーしながら修正していく方が
圧倒的に早く、強くなるし
その過程を通じて
人間的魅力も増していく。
失敗を恐れないで突っ込め。
そんなメッセージとして
受け取った。
結局、なんとかなるわけで
死ぬ事はないわけだから。
3、不満の多い2〜3番手こそゼロイチを狙え。
2番手・3番手こそゼロイチを狙える
不満の多い人ほどゼロイチ向け
ここもまた
サラリーマンらしい視点。笑
この本の真骨頂ともいえるかも?
実は、同期のトップだとか
優秀な人材は、花形部署に残る。
優秀だから、組織長も手放さない。
会社としても重要かつ緊急な
今の花形を経験させて
主戦場を歩ませたい、と考える。
ゼロイチの仕事は、
大企業であれば「1番手」の仕事ではない。
失敗するかもしれない仕事だから
1番優秀な人材には任せない。
安定的でなくならない、
けれど重要な仕事が
1番優秀な人に与えられる。
(企画とか人事とか
本人は傷つかない系。)
よって、成功するか失敗するか
わからない、ゼロイチの仕事を
一線級の人材が担当する事はないのだ。
この言ってしまえば
ギャンブル的なゼロイチの仕事は
2番手、3番手にこそ回ってくる。
で、当たれば、
一発大逆転も可能なのだ。
逆にいえば
2番手、3番手はゼロイチを狙え!
そんなメッセージとなる。
ちなみに
不満が多い人こそゼロイチ向きだとか。
愚痴を言ってて、エース級じゃないからこそ
こんな面白いゾーンが狙えるのだ。笑
企業で2・3番手にいる人は
勇気をもらえる話だ。
そして、極めて理解しやすい。
そのためのポイントとして
ゼロイチにチャレンジし続ける
これこそが
ゼロイチを成し遂げる唯一の方法
と林さんは綴る。
本当、その通りである。
指をくわえて見てても何も起きない。
「控え目でつつましく謙虚であるべき」
なんて言い訳はそろそろ止めて
コンフォート・ゾーンから出よう。
「謙虚」を誤って活用してはいけない。
こんな林さんの言葉は
企業人にはグサグサ来るだろう。
おまけで気になった言葉たち(解説なし)
・どんなに厳しい批判でも
「人格攻撃ではない」とクールに受け止める
・専門家であるがゆえに 思考の死角が生まれがち。
ここにこそゼロイチのアイディアが眠っている。
・3%のコストダウンは難しいが、3割はすぐできる 松下幸之助
・役員が勢揃いした会議の席上で痛烈なお叱りを受けたのです。
「お前の情熱が足りないから、プロジェクトが動かないんだ!」
会議室が極度の緊張感に包まれた瞬間でした。
・新しいことをやりたいのはゼロイチの担当部署の人間だけ。
他部署の人々は
「自分のところには火の粉を飛ばさないで」と見張っているもの。
・橋ではなく飛び石
飛び石は、ゴールから逆算して設定
・重要なのは、労働時間ではなく、脳内占有率。脳みそがちぎれるくらい。
(奥の手の理由。。)
今、家がなくて、本を置く場所問題があり
Kindle版の購入を検討するも未発売。
※2016年6月6日にはKindle版出版
しかし、すぐに読みたかった私は
有楽町のマルイ内のスタバにて読みました。
まさに「奥の手」。
本当は買わなきゃいかんのですけどね。
それにしても読んでよかった!
なんとなくくすぶってて
現時点、同期トップ層にはいなくて
あれこれ愚痴ってる人に
オススメしたい1冊である。
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