ミャンマーの総選挙が11月8日に終わり
次の話題に移ってきているかと。
大統領が誰になるのか?
というお話。そしてその後の組閣。
その辺りについて
昨日、耳にして気になった情報をば。
大統領 選出のスケジュール
一番、わかりやすいのは前回スケジュール。
ということでご紹介をば。
2010年の総選挙後
2010年11月7日 総選挙
2011年1月31日 国会召集
2011年2月4日 副大統領3名が国会で選出。
2011年3月30日 3名の副大統領から大統領選出。
新政権発足、民政移管。
こういった流れだったようだ。
こちらが現大統領。
これと同じようなスケジュールでいくのか
はたまた後ろ倒しになっていくのか
どうなるか、はわからないが、前回は
こんな感じで動いたようだ。
国際社会の目もあるだろうから、
変な引き延ばしは御法度かと。
あと、憲法上
総選挙から90日以内に国会召集しなきゃならん
となってるらしい。
総選挙が2015年11月8日だったので
2016年2月6日がタイムリミット。
大統領資格ってどうなってんの?
これがまた面白いわけですよ。
面白いとか言うたら不謹慎かもですが、
ちょっと変わった要件が入ってます。
多くの方がご存知のものでいえば
第58条 大統領は、他のすべての者に優越する。
的な文言があるんですが、それを差し置いて
スーチーさんが「大統領の上に立つ」と話し
憲法第58条を犯そうとしている、と
批判を浴びたりしています。
そして、これから重要なのが
大統領資格の記されている憲法第59条
自身、両親の一方、配偶者、又は摘出子が外国の市民ではない。
といった要件があるから、どんなにあがいても
スーチーさんは大統領になれない、とか。
まぁ色々と引っ掛かるやつですが、
これがまた読み解くとまた別のポイントが
含まれているわけです。
今後、大統領選出に影響を与えるであろう
超・気になるものだけいくつかご紹介。
※番号は、便宜的にKGYが振り分け。
ジャブ的な軽いヤツ
【1】少なくとも45歳以上
超・重いヤツ
【2】連邦の政治的、行政的、経済的 及び
軍事的な問題に十分に精通。【3】大統領として選出されるまで
少なくとも20年以上にわたり連邦内に
継続して居住している者。
※ただし、連邦が認める外国滞在の
公式期間は居住期間に参入。【4】大統領として規定された資格に加え
議会選挙の立候補要件に規定された
資格を有していなければならない。
いやーなかなかじゃないっすか?
とりわけ【2】と仮置きしてる
政治・行政・経済・軍事的な問題に十分に精通。
これって、誰が判断するんでしょ?
そして、
どこまでをもって十分に精通なのか。
これを満たす人はNLDにいるのか?
というところですよ。
海外帰国組もNGなわけです。
なんとも深い規定です。
この要件を満たさないと大統領になれない、と
憲法に記載されているわけですよ。
いくら 頑張って対応しようとしても
憲法をひっくり返す方が無茶なので
超・重要な部分となるでしょう。
【政治・行政・軍事にも精通。】
いるんやろか、、、?
それはともあれ、
大統領資格は、こうなっております。
(参考資料)ミャンマー新憲法-国軍の政治的関与(1)
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/legis/241/024108.pdf
大統領選出のプロセスはどうなってんの?
ここから、次に引っ掛かってくるのは
大統領選出のプロセスの部分。
どう選出に至るのか、である。
1、総選挙後 90日以内に下院が召集され
その7日以内に上院が召集される。2、大統領は下院召集から15日以内に開催される
連邦議会の通常議会において選出され、
新たな政権が樹立される。
3、大統領は、大統領選挙人団によって選出。
4、次に掲げる連邦議会における3グループから構成
a、管区・州から同数選出される
連邦議会の議員から構成されるグループb、群・人口から選出される
連邦議会の議員から構成されるグループc、国軍最高指令官によって指名された
軍人議員から構成されるグループ3、各グループが1名の副大統領を選出。
4、連邦議会・両院の長・副長から構成される機関は
副大統領が大統領として規定された資格を有するか
審査する。5、連邦議会のすべての議員から構成される
大統領選挙人団は、大統領候補である
3名の副大統領の中の1名を投票(多数決)により
大統領として選出。6、大統領 又は 副大統領の任期は5年。
7、任期満了後、新たな大統領が正式に選出されるまで
現職者が、その任務を継続して遂行する。8、大統領 又は 副大統領は、いずれの議会の
議員であってもならない。
選出されたら、その日から議会の議員を
辞職した者とみなされる。9、大統領・副大統領が政党の党員であった場合
在任期間の間、政党活動に参加してはならない。
(参考資料)ミャンマー新憲法-国軍の政治的関与(1)
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/legis/241/024108.pdf
(参考資料)【ミャンマー】 総選挙の結果とミャンマー情勢
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/legis/pdf/02460109.pdf
といった感じです。
どうでしょ、なかなか複雑な感じ。
期限が総選挙後90日以内、と定められているので
妙な引き延ばしはできなくなっています。
上記にも記載の通り
90日の期限は2月6日です。
副大統領を3つのグループが出し合う。
その中には、軍人議員代表も含まれるのです。
そして3人から大統領資格を満たしてるかチェックし
オッケーであれば多数決。
多数決までいくと、NLDが議席数的に圧倒的有利。
と、いったところでしょうか。
問題は、多数決まで持っていける人材がいるのか?
といった部分である。
スーチーさんは、最後の落としどころとして
シュエマン元 USNP を狙ってたりもするのか?
なーんてことも思ったり。
これからミャンマー国内では
テインセイン大統領とスーチーさんが対話するとか
色々と言われてますが、一番 ポイントとなりそうなのは
まずは、この大統領要件、かと。
元 軍人を主体とした USDP には
軍事に精通した人間も多くいるでしょう。
しかしNLDには精通している、といえる人物が
そもそもいるのか? いるとしたら誰なのか?
その人物は、政治・行政・経済にも精通しているのか?
ここをどう判断するのか、でしょう。
なんとも難しいところかと。
選挙が終わって、一歩NLDが前に進んだのは確か。
しかし、まだまだハードルは山積み。
そんなミャンマーの大統領選出でございます。
個人的に気になって、あれこれと調べた事。
さすがにミャンマー語の原文までは辿れてません。。
間違いがあったらご指摘くださいませ。。
それにしても、
大統領資格に「軍事にも十分に精通」
ってなかなかやるな、ミャンマー。笑
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