生と死を感じる火葬場。
3000年火が消える事なく燃え続け
その聖なる火に次から次へとご遺体が放り込まれる。
ずっと見ていたい、そんな光景であった。
にしても、インドはなぜこんな後味が悪いんだ。。
バラナシにいったい何があるのか?
バラナシを訪れて2日目。
この町にはあと2日の猶予がある。
デリーまでの移動は飛行機を手配。
電車で10時間以上はしんどい。
そう判断してのこと。
朝、起きると6時半。
オーマイガッ。
5時半の約束は完全にアウト。
「起きられたら」と
伝えておいてよかった。。。
にしても、痛い失敗をした。
6時半に起きてのんびり。
とりあえずインターネットが
なんとか繋がったらしく
情報収集を開始。
バラナシに何があるのか?と。
ガンジス川に何があるのか?と。
調べてみると
ガンジス川が聖なる川と
されていて、人々が沐浴するのは
火葬場があることも1つの理由のようだ。
有名な作家もガンジス川を訪れて
火葬場を見ながら
様々な思考を巡らせたらしい。
そんな情報収集をしていると
火葬場があり、見学ができるらしい。
「生と死を間近で感じる」
「死がすぐそこに」
そんなキーワードが頭に強く残る。
ザッと情報収集をして
屋上に行き、ランチをいただく。
バナナラッシーとバタープラータとカレー。
どれもこれも超うまい。
料金を聞くと
全部で240ルピー
+昨日のランチ160ルピー。
っておい。
昨日はおごりって言うたやんけ。
って思いつつもうまいから許す!
にしてもランチがうま過ぎた。
ご飯を注文してのんびり待って
のんびり食べてたらかれこれ14時近く。
宿を離れて歩き出す。
パソコンで作業するためにパソコンも持参。
かなり背中が重い。
死がすぐそこに。火葬場 マニカルニカ・ガート
目的地はマニカルニカ・ガート(Manikarnika Ghat)
オフラインで使える便利な地図アプリ
MAPS.ME で探してみると
近くにあるっぽくて行ってみたら
全然、違ったので仕切り直し。
Google Mapで改めて探してみたら
ちょっと歩くっぽい。
ひたすら歩いてみる。
40分くらい歩いて
なんだか狭い路地に到着。
ここで合ってるのか?
ってくらい細い路地をただひたすら
そこら中の人に聞きながら進んでいく。
近くまで辿り着いたら
ボランティア と称する案内人が来て
道案内をしてくれる。
※実態はボランティアでも何でもない。
ようやく 寺院に到着。
手前は亡くなられた方の家族らしい。
奥の、船の上に見えるのが
火葬に使われる木だという。
大量の木は、陸にも積み上げられている。
上から見るとこんな感じ。
右手奥に火葬場があるが撮影は禁止。
この赤い建物の奥に火葬場がある。
胡散臭い彼が
寺院の案内や説明をしてくれた。
この案内が非常に深くて勉強になった。
ヒンドゥー教徒にとって
この寺院で遺体を火葬できるのが
最高の終わり方である、という。
3000年以上 火は1度も消えた事がなく
雨の日でも風の日でも燃え続けている。
神聖な炎、神聖な場所であるため
火葬した時の匂いもない。
ちなみに、ここで焼く理由は
「蘇り」を信じての事らしい。
しかし、中には
ここでは焼けないご遺体もあるらしい。
自然死ではない人、幼児、妊婦、手足のない人
蛇に噛まれて亡くなった人、動物
それぞれに理由がある。
・自然死ではなく事故・自殺等でなくなった人は
本来与えられた人生を最後まで全うできなかった
とみなされるためNG。
・言葉が喋れないような子供は嘘もつけないわけで
悪いことをしていないから子供は焼かない
よって妊婦・幼児はNG。
・手足のない人はバクテリアが入っているためNG。
・蛇に噛まれた人は1ヵ月は生き返る可能性があるため
川に流される。川に流すと下流にいる僧侶が拾い上げ
1ヵ月間、お祈りを捧げるのだそうだ。
中にはそれで蘇る人もいるとか。
(!)
偶然にもその現場に出くわした。
岸辺で男が4人ほどでオレンジ色の布に包まれ
竹で出来たハシゴ上の担架のようなモノに乗せられた
ご遺体を持ち上げて、その下にバナナの木を滑り込ませる。
バナナの木と担架・遺体を紐で括りつけて準備完了。
手漕ぎボートに男性が5人ほど乗り込み
ご遺体をボートに乗せ、船は漕ぎ始める。
川の中流近くまで行き、
バナナの木が括りつけられたご遺体は、
無造作に川に流されていった。
私が見えた範囲では、バナナの木が「浮き」の代わりになり
沈まずに流れていった。逆さまではあったが、、、
どうしても、手を合わさずにはいられなかった。
ちなみにご遺体が火の中に投じられる前には、必ず
死亡原因の確認が行われ、自然死であれば、ここで焼かれる。
まずは遺体をガンジス川の水で清める。清められたら順番待ち。
私が行った時でも3体ほどが
通路に順番待ちとして置かれていた。
父親がなくなったら、長男。
奥さんがなくなったら、旦那さん。
それぞれが髪の毛を剃り、髭を剃る。
そして、ガンジス川で身を清めて
白い衣を身に着ける。
その人は焼かれるご遺体の近くに行き
儀式のようなものを行っていた。
ちなみに、女性は火葬場の中には入れない。
マハラジャだったか、誰かが亡くなった時に
奥さんが
「この人がいなくて、これ以上、生きていても意味がない」
と火の中に飛び込んでしまったそうだ。
それ以来、女性は近付けないらしい。
インドでは、女性の再婚が強く禁じられており
その影響が強くあるのだ、という。
ベランダのような場所から火葬場の火が見える。
タイミングにより、同時に8体とか10体を焼いていた。
1体が燃えるのに3時間。
24時間で200体以上が火葬されるそうだ。
船5漕ほどに、大量に積まれた薪が火葬場のすぐ横に見えた。
24時間でその量はなくなるらしい。
1体が焼かれるのに必要なのが最低でも100キロ。
身体が大きかったり、しっかり焼きたい時は150キロとか。
火葬代としては
1キロ当たり250〜300ルピーのサンダルウッドの薪
100キロ〜150キロ(体格により変化)が必要。
つまり、2万5000〜4万5000ルピー。
(日本円にして4万円〜7万円くらい)
加えて、焼かれて10日後(?)に家の近所の人への振る舞いが
必要とされており、そこにかなりのお金が掛かるため
多少はお金が払えないとガンジス川で火葬することは
できないらしい。
ちなみに、その日には、バングラデシュから棺で運ばれてきた
ご遺体もあり、1つだけポツンと棺が置かれていた。
焼け終えたら次から次へと遺体が火の中に放り込まれる。
不思議な感覚であった。死がすぐそこにあった。
火の近くにも足を運んだ。
当然ながら、火はものすごく熱い。変な匂いはしない。
すぐ目の前でご遺体が焼かれている。
大量の木が積まれて、その中に遺体が置かれ
火が身体を焼いていく。
その光景は1週間以上経った今でも
強くまぶたの裏に焼き付いている。
ただ、ひたすらずーっと見ていたくてひたすら眺めていた。
なんとも不思議な光景が目の前に広がっていた。
焼いても焼いても次から次に遺体がやってくる。
文字通り、24時間燃やしっぱなし、である。
ちなみに朝30分だけ、灰を捨てる時間があるらしく
その時間だけは、焼くのが止められるそうだ。
普段はなかなか感じない、生と死の近さを感じた場所。
行ってよかった、と強く感じた場所である。
ちなみに案内されたおっちゃんには
施設への寄付 の名目で1キロ分 200ルピーの薪代と
おっちゃんへの感謝 で 50ルピーを払った。
だいぶ、揉めてから払ったw
ボランティア とか 言うといてなんやねん!と。
払おうとは思ったけど、ボランティアとか言っといて
取ろうとするとかずるいし。
寄付といわれたから100ルピー払ったら
「少ない。最低でも200〜250ルピーは必要」
とか言われて合計で200ルピー払うことになり
なんやねん。ってなってしまった。
おっちゃんを切り離して、上からひたすら火葬場を見ていた。
すると、なんかまた別のインド人がやってきて
「ずっと見てたらいけない。1時間までだ。」
と、意味不明な事を言ってきた。
理由を聞いても「1時間までだ。長く見るな。」と。
やむなく、もうしばらく火を眺めて火葬場を後にした。
んーどうしてインドはこうも後味が悪いんだろう。笑
時間は夕方17時近くなっていた。
バラナシの日本人カフェMEGU cafeへと
足を運んだがお休み中であった。
日曜じゃないのに、、、
諦めて探し求めてbona cafeへ向かう。
キレイなカフェで韓国料理もあったので
飲み食いをしてのんびりとブログ更新もした。
なかなかネット環境がない中で助かった。
6Mbpsとか出てて、かなり早く感じた。
3時間ほど滞在し、ホテルへ戻る。
道中、リキシャを拾ってみた。
「50ルピーで宿近くまで」
と交渉し、オッケー、となり乗った。
途中で「遠いから80ルピー」とか言い出し
「ふざけんな、はじめに50って言ったわ」
と、喧嘩のようになった。
リキシャを止めて揉めてたので
なんか人が寄ってきたw
おっちゃんが他の人に助け舟を求めるも
「お前が悪いだろ」なのか「こいつは折れないぞ」
と言われたのか、諦める。
ずっと「ハード・ワーク、ハード・ワーク」と
言い続けながら走っていてうざかった。
「なら、もうここで降りるわ。その代わり0で。」
と、言うといきなり態度が変わった。
ようやく走り出した。
想定よりだいぶ時間が掛かったが
宿の近くまで辿り着けた。
仕方ないので60ルピーを出す。
手も出さず、受け取ろうとしないので
胸ポケットに突っ込んでその場を去った。
んーにしても何なんだろうか。
この後味の悪さ。笑
またもや、少しばかり迷いつつ
でも前回よりはスッと宿に辿り着けた。
生と死 が隣り合わせである。
そんな事を強く感じたバラナシ2日目。
にしても後味が悪いわ、インド。笑
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