なんなんだろう、この本は。
久々にワクワクしながら
先を読むのが
楽しみで楽しみで仕方ない。
そんな想いに駆られながら読んだ。
「映画好き」には
たまらない本だと思う。
「主役が映画」の素敵作品
小説なんだから
つくりばなし ではあるわけで
うまいオチになることは
どこかでわかっている。
それでも、それでも
先が読みたくてたまらない。
そんな想いで
飛行機の中でも
移動中のバスの中でも
ちょっとした空き時間を
見つけては
読みふけっていた。
そして
遂に読み終えた。
そして今。
なんだろう
この空虚な感じ。
読み終えた喜び と
読み終えてしまった寂しさ と。
同時に湧き上がる
この矛盾する感覚。
それでも
心に残る幸福感。
同時に感じる
好きなことを愛する事の素敵さ。
「キネマの神様」は
キネマ の言葉にある通り
この小説の主役は「映画」だ。
「映画」を通じて
いろんな人が交わり
いろんな出来事が起こる。
同時に
「映画」を愛する人々が
たくさん登場する。
映画を愛しながら
・映画評論を仕事にする人
・映画雑誌をつくる人
・映画館を経営する人
・シネコンをつくろうとする人
・映画評論サイトをつくる人
・ただただ映画を観続けてきた人
「映画」が中心に置かれて
ストーリーは展開する。
常に
映画への「愛」がそこにある。
だから
この本を読んでいると
無性に映画が観たくなってくる。
私と映画。
私はこれまで
映画をまぁまぁ観てきた。
ミャンマーに来てから
減ってしまっているが、
日本で金沢や東京にいた頃は
おそらく月2〜3本 観てきた。
とりわけ好きだったのは
シネコンで観る
流行りの映画よりも
小さな映画館で観る
マニアックな映画。
ヒューマントラストシネマ
シネリーブル
などの
単館系映画館が大好きだった。
「選び抜かれた1本」
みたいな
ほとんど知られてない作品が
なぜか好きだったし
そういう作品を探し求めていた。
家で DVD を観るのも
もちろんいいんだけれど
やっぱり
映画館の椅子で
映画館の音響で
映画館の空間で
味わう映画が大好きだった。
だから定期的に
映画館に足を運んでいた。
一番よく行ったのは
ヒューマントラストシネマ有楽町。
そこで
また別の映画のパンフレットを見て
「次はこれを見よう」
なんて心に決めたり
予告編を見て
「これは絶対に見なきゃ。」
なんて思ったりしてたのが懐かしい。
映画鑑賞会したい。
映画館の空間は本当にすごい。
「キネマの神様」にも
記載があるが
映画館 の形態は
娯楽として根付きはじめてから
ほぼ変わっていないらしい。
映画の世界に没頭できるよう
完璧なまでに設計されている。
映画がはじまると
画面に吸い込まれる。
退屈な映画の時なんかは
ふと 我に返ってしまって
集中できなくなったり
することもあるけれど
基本的には
映画がはじまって終わるまで
およそ 1時間半〜2時間。
この時間だけは
何もかも忘れて
思いっきり映画に没頭できる。
その不思議な感覚が好きだった。
泣いたり、笑ったり
感情が大いに揺り動かされる。
映画にしかできない
何か不思議な力がそこにはある。
だからこそ
映画がやっぱり好きだし
映画館で観る映画が大好きだ。
そんな感覚を
「キネマの神様」を読んで
思い出させてもらった。
うまく伝えられないんだけれど
原田マハさんの作品
「キネマの神様」を読んだ人と
語り合いたい気分がすごい。
ぜひ読んでください、誰か。
そして
「ニュー・シネマ・パラダイス」
観たい。
誰か観ましょう。
映画鑑賞会したい。
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