人工知能への興味は続きます。
前回書いた記事
「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」を強くオススメしたい。 vol.1
の続きです。
こちらの本をぜひ読んで欲しいので
紹介させていただきます。
人工知能に関する中でも
とりわけ、興味深い内容の本です。
今回は、第3章から先の部分から
気になった箇所をご紹介します。
「人工知能はどのように進化するのか?」より
この章では、
人工知能が今、どこまで来ていて
どのように進化するか、について
触れられており、興味深い。
データマイニングの中でも数値データではなく
テキストデータを情報処理の対象にする技術は特に、
「テキストマイニング」と呼ばれています。
自由記述のアンケートから頻出する単語を抽出し
どのような意見の傾向があるのかを調べたり、
ツイターに書き込まれた膨大なつぶやきを分析して
株価の上がり下がりを予測するといったことに利用されています。
数値データだけでなく、テキストデータまで分析できる。
これは、一昔前までは人の仕事だったのだが、
今や機械が大体できるようになっているのだ。
文字情報を読み込んだ上で、それらの情報を元にして、
コンピュータが情報処理をする。
規則性を見つけたり、法則を見つけたり。
そんなことが可能になるのだろう。
例えば、今はまだ
人間がアルゴリズムを書いている段階だろうが
それを機械が勝手に考えて判断する日も来るだろう。
米国市場では2000年代後半以降、取引高の約50%が
秒単位、ミリ秒単位で自動的に自己のポジションを
変更する高頻度取引によるものとなっているらしい。
つまり、処理するためのルールを人間が与え、
そのルールに従って、
機械がミスなく、超高速で取引をしている。
人間よりも圧倒的に早い処理速度で
正確な処理をしているのだ。
例えば、数字データを扱う取引の現状がこれだ。
しかし、まだ人間がルールを与える前提だ。
テキストデータを扱い出せば、
「こういう言葉」をよく使う人は
「オムライス」が好きな確率80%。
とか、そんな人間は考えもしないような
法則を機械が見つけ出すかもしれない。
数値を使った分析が、今の段階で
かなり進んでいることを思えば
テキストマイニングが進めば、
きっとまた思わぬところでも
様々な影響があるだろう。
生命だけが自ら世界を切り分け認識する存在でしたが、
ディープラーニングによって機械もまた
森羅万象からパターンを見出し、世界を切り分け
認識する存在となったことを意味します。
人間がいちいち認識対象となる物体の特徴を
教えなければいけないのであれば、人間の知らぬ間に
AIが驚異的に賢くなるなどということは起きそうにありません。
ところが、ディープラーニング出現後のこれからのAIは
人間に物体の特徴を教わる必要がないので、
勝手に幾らでも賢くなっていく可能性があります。
ディープラーニングが
機械を人間に近付けたのだ。
ディープラーニングは、
「これは猫」である、と
人間がルールを与えなくても
勝手に自分でルールを見つけ出すことに
成功してしまったのである。
これまでは、人間が教師となり
「これが猫だよ。特徴は、目が2つ、ヒゲがあって、、
あ、ヒゲってのはね、、目ってのはね、、、」
って教えてあげる必要があった。
教師あり学習、とも呼ばれるやつだ。
いくらコンピュータといえども、
素晴らしい処理能力を保持していても
教師がいなければ、学べなかったのだ。これまでは。
それが、ディープラーニングを出現したことで
1枚の写真の中に人が何人いるか
を見分けることができるようになったりする。
人間であれば、とても簡単なことでも
機械には難しいかったことを
やってのけてしまったのだ。
「これはね、」と、教える先生がいなければ
生徒は、先生以上に賢くなることはできない。
先生が知らない情報を生徒が知る事はない。
別の先生から学ぶ事はあったとしても
勝手に学ぶことはない。
それが、ディープラーニングを用いれば
データさえ与えれば、勝手に学ぶのだ。
特徴だとか、そういったことも学ぶらしい。
例えば、最近できるようになった
Google Auto Drawは
人の描いた絵から、提案をしてくれる。
こんな絵が、、、
こうなる。
今後は筆跡だとか、声質や喋り方までも
真似られる時代になるらしい。
なんとも恐ろしい。。。
目的を与えるだけでプロ並みになるAI
ディープラーニングの応用として私が最も脅威に思ったのは、
「DQN」(Deep Q-network)というゲームをするプログラムです。
このプログラムでは、ゲームのルールを教えなくても、
ゲームの点数を最大化するために
自分でプレーの仕方をマスターする、らしいのです。
しかも49中29個で、人間のプロレベルと同等か
それ以上のスコアを叩き出したのだとか。
コンピュータに、明確な目的を与えてあげるだけで
人間が、失敗を繰り返しながら、掴むような
コツを勝手に習得していくそうだ。
コンピュータが「人間と同じように、コツを掴む。」
そんな世界がすぐ目の前に迫っている、というのだ。
AIが人間の知性を超えられるかという問いに関する
私の暫定的な見解を述べておこうと思います。
まず強調しておきたいのは
「全脳エミュレーション方式」か「全脳アーキテクチャ方式」か
によって、汎用AIの成し得る振る舞いの範囲は
大きく変わってくるということです。
この議論は、この本の中ではじめて知った。
脳の機能の細かい部分はすっ飛ばして丸ごと再現しようと考える
「全脳エミュレーション方式」
脳の機能1つ1つを再現して組み合わせようと考える
「全脳アーキテクチャ方式」
確かに、どちらを選ぶか、で、制限ができるかできないか
は大きく異なるであろう。
人間の脳の全機能は、未だに分析し切れていない。
例えば、犯罪心理学のような、分野があるが
未だに犯罪はなくならないことを思えば
それは明らかであろう。
脳のすべての構造はわかっていないが、
脳は考えたり、判断する機能を持ち、
人は、次々に発見し、発明をし、
進化を遂げ続けている。
すべての仕組みはわかっていないけれど
機械にその一部を代替させつつ
凄まじいスピードで進化を遂げている。
AIがたとえ人口の身体であるロボットに搭載されたとしても、
その身体は生命であるところの人間のもととは異なっています。
そうであるならば、そのAI・ロボットは人間が獲得しているような
身体知を自ら発見し獲得することはできません。
ロボットは、人間の身体が持つような
痛み、心地よさ、といった感覚を持たない。
よって、人間とは異なるのだ。
その事例も挙げられている。
哲学者でAI研究者の西川アサキ氏は、
ロボットにとって最も難しい仕事はヨガのインストラクター
だと言っています。
ロボットは、どのようなポーズをとったら心地良くなるのかを
自分の身体に問い合わせることができないからです。
人によって、心地よさは異なる。
マッサージを好きな人もいるし
マッサージが嫌いな人もいる。
機械が、その感覚を自分で得るのは無理だ。
おそらく多くの人のデータを集めて
分析した上で、平均値に基づいた
対応は可能だと思われる。
しかし、機械が自ら ここだ!
と、気付く事はできない。
そこは、機械と人間の違いが大きい。
その事を強調しているのだ。
ズルはしない(できない)AI
将棋盤をひっくり返すというような
「飛躍的なアイディア」を発想することができないのです。
ディープラーニングを用いても同じことで、
DQNが発想するのは点数を増やすための工夫だけです。
人間が与えた目的を達成するのに必要なこと以外は何も発想しません。
それが、生命であるところの人間との違いです。
コンピュータが、
ゲームで高得点を取ることを目的として与えられた時に
ルールに従って、高得点を取るために、学習をして、
やり方を覚えて工夫していく。それは得意なのだ。
しかし、それが「ゲームに勝つ」事を目的としても
負けそうになった時に、何かの手を講じるといった
「飛び道具」を使う事はできない。
例えば、イカサマ だとか 将棋盤をひっくり返す、だとか
そういった類のことはできないようだ。笑
ここが人間との大きな違いなのだという。。
確かに、負けたくなくて、その悔しさから
将棋盤をひっくり返したり
ファミコンの電源を切ってみたり
なんてことは機械にはできないのだ。
目的の与え方によっては、
実現するような気もしなくがないが、、、
まぁそれをやられたら恐ろしすぎるが。笑
全脳エミュレーションの方は国際条約で禁止にして、
全脳アーキテクチャ方式でのみ
AIを開発するようにした方が
世界は平和のままでいられるのではないかと思います。
この全脳エミュレーションは禁止にした方がいい。
それが、この著者の考えのようだ。
全脳アーキテクチャ方式であれば
制御が効く、と考えているようだ。
「勝つためには何でもする」
そんな動きを取らない AI のためには
全脳アーキテクチャ方式の方がいい。
そう考えているのだ。
全脳エミュレーション方式のAIは
暴走して、人を殺す、といった
人類が恐れているようなことを
してしまう可能性がある。
そう考えているようだ。
確かに
機能ごとに組み立てていく方式であれば
各機能を設計する際、何かしらの制御機能を
入れておくことができます。
制御方法がわかれば
暴走することはないでしょう。
全脳エミュレーションはリスクが大きい。
ということは、
ちょっと危険だけど、その分、爆発力もある。
と、そんな事も思いました。
なんとも深いです、面白いです、人工知能。
またまた長くなったので
次回に続けます。
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