KGYのミャンマー現地人脈を活用した
ミャンマー語勉強中の、とある日本人による
ミャンマー新聞翻訳、不定期掲載シリーズ、第6弾。
【ミャンマーニュース#006】外国への出稼ぎ者が後を絶たず、ラカイン州で農業従事者が不 足
外国へ出稼ぎに行く住民が後を絶たないことが理由で、
ラカイン州ミャウウー地区では
農業で人手不足に直面している。
同地区で農業を営むマウンチャンターさんは
「若者だけでなく、中年層もたくさん外国に
行ってしまった。
農業に興味を持っている人なんてほとんどいない。
農作業の現場を見れば女ばかりだ。
最近は飲食店でも人が足りないと聞く」と嘆く。
先日マレーシアでの仕事を終えたチョーシュエミンさんは
「ここにはいい仕事が無いから、
外国に働きに行っても僕のように
戻ってくるのは2割ぐらい。
外国での仕事が合わないなどの理由で
途中でミャンマーに帰国しても、
それが恥ずかしくて
ここまで戻ってこない者も多い」と話す。
同地区では13万7,000エーカーの土地で米を栽培。
人手不足のため、農業従事者の賃金は上がっているという。
(12月11日 Democracy Today)
ヤンゴンの就業事情の歪み
これが、今の現実なんだろうな、と。
色々と仕事が生まれており、
海外への渡航も可能なわけで、
そうなると、選択肢は広がる一方です。
そうすると、需要と供給の関係で
どうしても
安い賃金で、きつい仕事をやりたがる人は減る
人がいなくなってきた会社・産業は
人を集めるために賃金を上げざるを得なくなる
もしくは
人がいなくなり廃業せざるを得なくなる。
といった事態が起こってしまうでしょう。
私は、現地で2年ほど 人材に関わる仕事を
担当し、実に2,500名弱と面接をしてきた計算。
少なめに見積もっても
※1日 4名×290日×2年=2,320名
今も、日々インタビューをしています。
すると、海外帰り組 も多いのです。
特に、シンガポール、カタール、マレーシア。
そして日本帰りをよく見かけます。
日本で働きませんか?
という情報も多いようですし、
日本語学校へ行って稼ぎましょう!
とか
マレーシアなら手数料も安くて働ける
とか
シンガポールだと英語も使えるし
給料のいい仕事もある
とか
ドバイで働くのは、もっと簡単
とか
イスラエルで農業に従事する
とか
韓国なら長く働けます!
とか
船乗りになってお金を稼げる。(但し船の上)
挙げだしたらキリがないくらい
海外で働くチャンスが多いのです。
これはこれでいいことです。
でも、そのせいで
国内に人材が残らない。
ということが生じているのも事実。
優秀な男性が国内に少ない。
と、嘆く方が多いのも事実。
確かに工事現場でも女性を多く見かける。
優秀な男性ほど
海外で英語を活かして
自分の実力を伸ばしつつ
いい給料で家族への仕送りもできる。
そんな機会を求めているから。
また女性を海外に出すのを親は断固・反対。
ただし、男性なら稼いでこい、と送り出す。
こうしたところの影響もある。
と、私は考えています。
時に
家族の面倒を見るため
とか
もう海外は行ったから母国にいたい
といった理由で
あえて国内に残ることを選択する
そうした人材もいます。
それでも全体的には、
今のミャンマーは賃金が低い。
だから海外へ行って稼ぐんだ!
という想いを持っている人の割合は
相当数に多い、という印象。
日本でも同じでしょうか。
東京一極集中と地方の衰退は無関係
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/?of=1
という記事をちきりんさんが書いてます。
今のニーズとしては
お金を稼ぎたい!
という人が大都市や海外に集まる。
それが今、ミャンマーでも起きていること。
いい・悪いではなくて
お金を稼ぎたい!稼げるところへ行こう!
という人が向かう場所。
それが海外・ヤンゴンなのである。
その反動として、農家に人が足りなくなっている。
でも、農家は必要だし、
国として まだまだ農業は必要な産業。
でも人はいない。
となると、この先に起こることとしては
農業のIT化がどこよりも早く進む。
そんな未来が起きるかも。
なーんて思ってみたりするニュースでした。